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私はガッカリしています。感想レビューです。

前作「グランド・イリュージョン」は本当に名作でした。2010年代の映画にも、ついに「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のような万人に受ける映画が生まれたんだ!と、感動すらしました。

何回観ても面白く、実際に少なくとも5回以上は観ています。

その続編に当たる「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」が2016年9月1日(木)←つまり今日、公開されました。早速朝一で行きましたよ。期待してましたから。

結果は、タイトルや冒頭の通り、ガッカリです。期待値を除いても、前作には遠く及ばないどころか普通に駄作だと感じました。

今回は、なぜ「駄作」になってしまったか真剣に考えてみます。ネタバレは極力しません。

前作「グランド・イリュージョン」がなぜ素晴らしかったか

※↑こちらは前作の方の「グランド・イリュージョン」予告です。

前作「グランド・イリュージョン」を観た前提で話を進めて行きます。

前作「グランド・イリュージョン(原題: Now You See Me(ナウ・ユー・シー・ミー))」は、主役たち「フォー・ホースメン」のメンバーたちが、最初から最後まで徹頭徹尾「騙す側」に立ち続けた映画でした。

だから状況をコントロールし続けることができ、結果として観客である私たちも騙され続け、最後のどんでん返しも効果的に「ミスディレクション」を感じさせることが出来ました。

キャストたちも、最初にキャラ付けとしてのマジックや能力紹介があり、更にそれぞれの特徴を要所要所で上手に活用し続けて、「映画というパッケージをしたマジック・エンタテインメント・ショー」とでも言うべき映画が完成し、名作と呼ばれるに至りました。

単純な話、「超面白い」んです。万人に受けるタイプの映画なので、本当におすすめです。観ましょう。

さて、それでは前作と今作(2)の決定的な違いとは何だったのでしょう?なぜ、2は駄作になってしまったのか。我々はその謎を追求すべく、密林(アマゾン)の奥地へと進んでいった…。

1と2の決定的な違い

1は「エンタテインメント」だったものが、2では「仕事」に成り果てた。これが一番の要因だと私は感じています。

どういうことかというと、1ではそれぞれの山場でしっかりと「ショー」をしていました。銀行強盗をマジックでやってのけたり悪い人からお金を巻き上げたりなど、どれも「マジック・ショー」という形式を崩すことなくやり遂げたのです。

それに対し、2の山場。これが問題なのではないでしょうか。ほぼ完全に「ショー」の形を成し得てなく、マジックは「仕事」のために使用されます。それぞれの特色を活かしたマジック・パフォーマンスも鳴りを潜め、設定の無駄遣い感がスゴいです。

2からは「アイ」のメンバーとして活動するフォー・ホースメンを描いているので「仕事」となるのは仕方がないとは思うのですが、そうは言っても前作で大事にしていた「エンタテインメント」をないがしろにして欲しくはなかったです…。1は映画終わってすぐの曲がPhoenix(フェニックス)の「Entertainment!」ですよ?(PVはあれですが、フランスのバンドですw)

というわけで、ザックリと「なぜ駄作になってしまったのか」が分かりました。ここからは、より深く掘り下げていきましょう。

「見破られたトリック」のダメポイント 〜順を追って〜

順を追って、「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」のダメポイントを見ていきましょう。

一応言っておきますが、俳優陣は皆素晴らしかったです。モーガン・フリーマンは相変わらずでしたが…w あと、アイラ・フィッシャーのハスキーボイスがないのが少し寂しかったですね。

前作と今作までの出来事を最初に挟んで欲しかった

前作はメンバーの特徴紹介というのもあったので、最初にそれぞれのショーを披露し、それはもうインパクトのある冒頭でした。

今作は、シュライク親子の過去の話から始まりました。それ自体は良いのですが、やはり各メンバーの”今”だったり抜けたメンバーの説明だったりが欲しかったなぁ、という思いが残り続けました。

私は前作を予習してから観たので良いのですが、ちょっと不親切かなと。

1年半振りに登場して”マジック”なし…

前作と同様、今作も3回の山場(見せ場)がありました。

1回目は、1年半振りに会場で観客を前にパフォーマンスをしようとする場面なのですが、敵役のダニエル・ラドクリフに乗っ取られてしまいます。

ここはある意味では仕方がありません。が、多少なりともマジック・ショーをやってから本題に入っていたのが前作でした。今回は「即本題」。つまり「ショー」ではなく「仕事」に取り掛かったのですね。

エンタメ要素なしで、内容的にもほとんどタレコミ。「マジック」ではなく「探偵もの・ミステリーもの」としての側面が強めに出てしまい、私は「そういうのを期待してるんじゃないんだけどな…。」と思いながら観ていました。パフォーマンスありきでストーリーを楽しめるのが「グランド・イリュージョン」の魅力だったはずです。

唯一の見せ場も、観客はおらず

2回目はカードの場面。予告でもありましたね。

ここの出来自体はかなり素晴らしいのですが、肝心の「観客」がいないため、ショーとしては成立していません。残念。というか、客がいないから完全に仕事ですよね。

また、状況を支配されていて、更にやっていることは犯罪の手伝いですから。カタルシスも何もあったものではありません。

前フリが丁寧すぎた

最後のは、映画的な楽しみを奪わないという意味でもあまり触れない方が良さそうなので、あえて説明は省きます。最後のは一応エンタテインメントではありますし。

ただ、今作全体通して言えることですが、前振りがとにかく丁寧すぎます。「見破られたトリック」というより「観客(観ている私たち)が見破ってしまうトリック」です。

客である私たちに状況がバレバレなマジック・ショーって楽しくないですよね。今作はまさにそんな感じでした。

まとめ

本当に好きな前作「グランド・イリュージョン」だったからこそ、今回の駄作っぷりはショックでした。監督は別の人ですが、これは脚本の問題だと感じています。

しかし、脚本には前作担当者がいるので、これは避けられない凋落だったのかな。とも。

DVDがリリースされたら多分また観るんだろうなぁ…。で、また落ち込むんだろうなぁ…。

前作「グランド・イリュージョン」は本当におすすめですし、何回観ても楽しめるので、ぜひともブルーレイでお手元に。

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